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うっかり体調崩してました(*´∀`)うふふあはは
うっかり名曲聴きまくってました(*´∀`)いひひえへへ
うっかり小説書いてました(*´∀`)おほほ!
ごめんなさい(*´∀`)
BGM・イメージソングとして使わせて頂いた原曲様→s/m.7.4.4.1.4.0.2
解釈の多い曲だったので、小説もそんな感じにしたいなって思いつつ撃沈^q^
自分の中での設定やらラストやら背景やらはてんこもりです。が。
解釈はお任せします。ハッピーエンドでもアンハッピーでもなんでもおk。
久しぶりに文章が書けて楽しかったです。文才ほしいなあ。
わけのわからない文、って言われてしまえばそれまでです。
お気に召すか分かりませんが、読んで下さると嬉しいです。長いです^q^
せかいのおわりになにをみたか。いとしいひととのかさのした。
逃げ出した。オレ達は逃げたんだ。
白と黒と、境界線を縁取る灰色をくぐり脱げて走っている。オレの視界は白と黒と、鬼男君の背中で造られていた。背後からは遠いような近いような、走り続けていなければ今の瞬間にでも閉じ込められてしまいそうな、追っ手の声。頭の中に直接叩き込まれる声が、モドレカエレと繰り返している。いやだ。頭を振っても付き纏うそれにじわりと涙が浮かんで、足の速い鬼男君のスピードに飛ばされて乾き切る。冥界はどうなってしまうんだろう。地上は天国は地獄は。オレが振り分ける世界を見放した今、急速に冷えていくような何も変わらないような。いらない存在だと絶望してもいいから、オレは今この手を離したくないんだ。離れたくないんだ。鬼男君の身体は、また薄らとぼやけて輪郭を曖昧にしている。オレ達はオレ達のために、世界から逃げだした。
「大王、平気ですか。」「うん、大丈夫。」「…まだ異変はありません。他の鬼も気づいてはいないようですから、少し休みましょう。」「うん、そだね。」
これからどうする、なんて言えない。あても予定もないのだ、あるのは目の前に確かにある別れから逃げ出したい衝動だけ。ふわふわと時折鬼男君を包む光を、ありったけの祈りを込めて吹き飛ばす。掌はちいさく震えて、大きな褐色に繋ぎ止められて此処にいられる。背中に爪を立てたような焦燥感は相変わらずオレを、それから多分きっと鬼男君を焦がしていたけどそれさえ見ない振りして。灰色のラインに足を付けて、白からも黒からも身を隠す。耳に響く高い音と低い音が、混ざって不協和音で地上を揺らしている。ああ、探されているのか。地上はきっと今、雨降りどしゃぶり。
「…オレのせいだね。」「大王。」「そんな顔しないで。オレなら大丈夫。」「…走りましょうか。」
オレの手を握る力が強くなる。立ち上がって、暗がりから二人分の影が飛び出した。息つく時間はなく。行きつく場所もなく。全部分かっていて、鬼男君は足を止めてくれない。どこまで行けば、この手はオレの前から消えないだろう。白も黒も見たくなかった。絵の具のような、空の青が見たいな。
「……どこにいくの?」
オレが聴いた。鬼男君はきこえないふりをした。それが正しい選択だった。黒の雨と白の空は止まない。オレは逃げている。
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突然、空が泣いた。音も立てずに俺たちに近づく白い影が、ひたひたとオレの影に手を伸ばす。鬼男君は気にも留めずに突き進んで、酷くなっていく黒の粒を弾き飛ばして蹴散らす。綺麗な色の髪がほんの少し汚れて、光に包まれてまた綺麗に戻る。繰り返すくりかえす、オレは手を引かれるまま泣いていた。白い影の足どりは覚束ないもので、オレが睨んだらほんの少し足を止めた。うろうろ、うろ。煩わしくなって、オレは前を向く。白と黒と鬼男君で造られた世界。冥界も泣いていた、王は此処にいる。巡る鬼の魂をひとつ引き連れて、どこかに向かっている。古びて錆びて存在意味を思い出せないでいる螺旋階段に、鬼男君がかんかんと足音を響かせていく。遅れて、オレも音を立てる。一人分の足音がぐるぐると回って雨の音と踊っているみたいだ、考えながら見つめる背中は白でも黒でもなく、オレをとてつもなく安心させる。上る登る昇るのぼっていく、螺旋階段の数は数えてない。泣いていたけど泣きそうなオレは、気づかれないように唇を縫い付けて走る。急に、鬼男君が足を止めた。振り返って久しぶりに見た色の目が、ふんわりと細まってオレの頬を指先で撫でる。ふるえてる、て。空いた手で重ねようとして、また背中が走り出す。オレはじり、と胸を焦がして、なにもいわないで走る。焦げ付いたにおい、死人のための檻、記憶の隅の焼けた鉄、舌の焼ける味、黒の雨は似ていた。消えかける階段の先、鬼男君を包む光、天国の太陽、無に変える魂、白の空は似ていた。雨はその足音を大きくして、オレが時折呟く懺悔のような何かをかき消していく。のぼり続ける先から、さっきの鬼男君の優しい目に似た、風が頬をぺろりと舐める。オレは走る足にもっと、と願った。答えるように鬼男君がスピードを上げた。息切れは聴こえない。あ、
「……。」
何も話さないで、オレの掌を握る。光が纏わりついて、感覚が一瞬消えた。白い追っ手がふらりと存在を消して、オレに溶け込む。暗い色が気になったけど、オレは深呼吸してそれを吸い込んだ。決めたのはオレだ、捨てたのも逃げたのも。どこからか叫びのような嗚咽のようななにかが木霊している。鬼男君の耳にはすこし小さすぎて、オレの心にはすこし悲しすぎて、それは誰にも拾われないまま帰路を辿って落ちていく。誰もなにもいなかった、鬼男君とふたり。冥界の王が此処にいると、誰が知ることもなかった。とめてほしかったのは誰だったのか、なんだったのか、気のせいだったのか。のぼり続けた階段の突き当たり、オレと鬼男君の目の前に、白のような黒のようなちいさな扉が、ああみつけた。鬼男君が足を止めて、オレは目を閉じた。
「開けますよ。」「…うん。」
ひろがるそらは、あおをおもいださせてくれた。
なにもかもが、原色に光を混ぜたような世界。手を握る鬼男君にも光が混ざって、オレの着物も光に溶け込んで、花の香りに咽返りそうになる。天国と似てる、でもオレじゃどうにもならない世界。オレの掌じゃない世界。空気ごと抱きしめて、オレは泣きじゃくる。泣きじゃくるオレを、鬼男君が抱きしめた。あったかい、におい。ぽつりぽつりと降る雨は透き通って、ごーるどの雲からオレを濡らす。わあ、傘をささなきゃ。オレはそおっとと指先を伸ばして、雲にちいさなきすをした。ほっぺに落ちる涙はオレの目から上から降り注いで、深い空を滲ませていく。かき抱いたものを全部逃がして、オレの腕には鬼男君だけが残る。もうなんにもいらない、きみがいればいいよ。ここにいればいいよ。このせかいで、ふたり。
「おにおくん。」「」「おにおくん、すきだよ。」「」「うん。すきだ。」
あめがやんだ。このせかいで、ひとり。
ねむくなったからおれもねるよ、おやすみおやすみ。
おやすみ、せかい。
読みました。読んで、世界に引き込まれました。
そして、泣きました。
どうお解釈すればいいのか、分からなくて…
とりあえず閻魔が鬼男くんと一緒に冥界から、逃げたんですよね?そして、新しい世界(?)にたどり着いた。
でも、鬼男くんは?最終的には閻魔が1人で…
小説にのめり込んでしまいました。
素敵な小説をありがとうございます。
そうですね、以前も暖かいコメント頂きましたよ(*´∀`)
わああ、本当ですか…!
そう言って頂けると、本当に嬉しいです。
泣かせてしまってすみません、どうぞ(´・ω・)つはんかちーふ
原曲様のあの言葉にできない何かを、少しでも伝えられたらなと思っています。
だから、何かを感じて頂けたならば幸いです。
解釈は、無月さんの思ったままです。
私が表そうとしたものは、(欲張りなので)一つではないし、
私が考えなかったことだって、感じて下されば其れは間違ってないです。
でも、気になる気持ちも分かるので(笑)イメージ的にはそうですね、逃げています。
鬼男君が転生しない場所へ、閻魔が個人でいられる場所へ。
ハッピーエンドなら、あの場所は二人だけの(精神上の)世界か、人間界へ飛び込んだ後って感じですね。
バッドなら、全部閻魔の夢の話、とか。鬼男君はやっぱり巡ってしまったとか。
考えると沢山あります。だから、無月さんが一番しっくりくるラストで終えてあげて下さい^^
此方こそ、拙い文章に感想有難う御座いました。
とても、嬉しかったです(*´∀`)